分譲マンションの相続税評価額を知る方法とは?
前回のブログでは、一戸建てや土地の相続税評価額の計算方法をご紹介しましたが、今回は「分譲マンションを相続した場合の評価額」について解説していきます。
🔗 前回の記事:「相続した不動産評価額を簡単に計算する方法」
不動産の相続税評価額を正確に算出するには専門的な知識が必要ですが、概算での評価なら自分でも計算できます。
相続税の対象になるかどうかを事前に把握できると、早めに対策を考えられるので、ぜひチェックしてみてください。
分譲マンションの相続税評価額を算出する手順
マンションの相続税評価額を計算するには、以下の4つのステップを踏みます。
① マンションの持分割合を確認
分譲マンションは、各住戸の所有者が建物と土地を区分所有しており、土地については「持分割合(〇〇分の△△)」という形で共有しています。
この持分割合は建物の登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されています。
もし登記簿謄本に「敷地権の割合」が記載されていない場合は、土地の登記簿謄本を確認しましょう。
「11万2267分の7323」のような細かい数字が記載されていますが、この数値が持分割合になります。
② 建物(マンション)の評価額を確認
マンションの建物部分の相続税評価額は、とてもシンプルです。
毎年届く固定資産税通知書に記載されている評価額がそのまま相続税評価額になります。
📌 固定資産税通知書がない場合の確認方法
お住まいの市区町村役場の税務課で「固定資産税評価証明書」を請求すれば、評価額を確認できます。
③ マンションの土地全体の評価額を算出
土地の評価は、国税庁が公表している「路線価」を基準に計算します。
📌 マンションの土地全体の面積を確認する方法
- 土地の登記簿謄本
- 購入時の売買契約書・重要事項説明書
これらの書類に「地積」と記載されている数値が土地の面積(㎡)です。
📌 路線価の確認方法
国税庁の「路線価図」を利用して、マンションが接している道路の1㎡あたりの価格を調べます。
🔗 路線価図はこちら → https://www.rosenka.nta.go.jp/
例えば、マンションの土地面積が1,000㎡で、路線価が123,000円/㎡の場合、
🏢 マンションの土地全体の評価額 123,000円 × 1,000㎡ = 123,000,000円(1億2300万円)
④ 土地の評価額に自分の持分割合を掛ける
③で算出したマンションの土地全体の評価額に自分の持分割合を掛け算すれば、個別の土地評価額が求められます。
例:持分割合が「11万2267分の7323」の場合 🏢 個別の土地評価額 123,000,000円 × (7323 ÷ 112267) = 約8,023,096円(約802万円)
最後に、②で求めた建物の評価額と合算すれば、マンション全体の相続税評価額が算出できます。
マンションの相続税評価額をざっくり計算する意義
- 相続税がかかるのかどうかを事前に把握できる
- 生前対策(節税・遺産分割の準備)を早めに進められる
- 必要なら専門家(税理士・行政書士)に相談できる
マンションの評価額は、一戸建てと異なり「持分割合の計算」「路線価の確認」が必要ですが、意外とシンプルに概算を求めることができます。
相続税が発生する可能性がある場合は、税理士などの専門家に正式な評価を依頼するのがおすすめです。
今のうちに大まかな評価額をチェックして、「相続税対策が必要か?」を見極めておきましょう。